巻き爪や食込み、肥厚や変色など爪の悩みを抱えている方は非常に多いですが、「どこで治療すればいいのかわからない」「今のところ痛みがない」「治療してもらったことがあるけど結局再発する」などの理由から通院治療をあきらめてしまう方が少なくありません。しかし爪の不調は歩行障害や関節の変形を引き起こす要因となり、ご高齢者の転倒骨折や糖尿病患者さんの足壊疽につながります。

 

 

 

爪は一般的にみなさんが想像されているよりもデリケートな組織ですが、一方で適切な靴の履き方や状況に応じた爪ケアなどの環境を整えることで症状の多くを改善させることが可能です。

巻き爪/陥入爪治療

爪形成手術後のトラブル症例

爪の食込み(陥入爪)や巻き爪に対して、今でも多くの施設で爪の根本に及ぶ手術が行われています(爪形成手術)。しかし爪母と呼ばれる爪の根本部分まで外科的に手を入れてしまうと、その後に生えてくる爪が大きく変形して見た目が悪くなるばかりでなく、爪変形の再発に際して治療が困難になったり、変形した爪により症状が治療前より悪化してしまうことが少なくありません。

この写真の患者さんは2年ほど以前に他院で陥入爪の治療をされていますが、よく見ると爪の左辺縁がおかしいことに気づきます。治療したはずの爪の根本が完全に切除できていなかったため、小さく不完全な爪が成長して皮膚を突き破っています。このように爪の根本までメスを入れられてしまった爪のトラブルは対応が極めて困難で、その後の治療選択もかなり限定されてしまいます。

そのため私たちは爪の根本に切り込むことは行わず、自然な爪の成長を育みながら元の形に戻す爪矯正治療を基本方針としています。『マチワイヤー』と呼ばれる形状記憶ワイヤーを爪に通して矯正する治療が中心となりますが、治療手技にかかる時間は2-3分、皮膚に傷をつけないため痛みは伴わず出血も一切ありません日常生活も全く制限無く普段通りの生活を送って頂けます。よく「爪を伸ばしていないと治療が出来ないのでは?」と質問されますが、爪の長さも問いません。治療期間は個人差があるので一概には言えませんが、通院は2ヶ月に1回程度であり頻回の通院は必要ありません。

※ 治療前後の画像につきましてはインターネット広告規制のため、ご来院時にご呈示させて頂きます。


爪矯正治療は保険適応外治療なので全額自己負担となりますが、当院は爪変形は若年者の関節障害や高齢者の転倒事故、糖尿病/透析患者の足壊疽を引き起こす重要な原因疾患であり、安心して定期通院できる患者負担額での医療提供が必要と考えています。そのため初診料¥4,000-/再診料¥2,000- (ともに全足趾の爪ケア含む)、手技料は爪1ヶ所あたり¥1,000- (同側2ヶ所目からは¥500-)、材料は別途定価請求(マチワイヤー1本あたり¥4,000-: 一般的な拇趾サイズであれば治療数回分) (それぞれ税別料金)に設定して治療を行っています。

ご不明な点はお気兼ねなくお問い合わせください。

肥厚爪(爪甲鉤彎症)や爪の変色など

爪の成長伸展が阻害される原因は靴の不適合や骨関節の変形、爪の感染、外傷など多岐に渡ります。これらの要因が加わると爪に肥厚や変成、変色などの問題が生じます。

このような爪の変形は爪切りが困難になるばかりでなく、足趾の痛みや隣接する足趾に干渉してキズを作る要因になるため、適切な診察と日常のケアが大切になります。

診察はまず白癬(爪水虫)や爪苔癬などの疾患の有無を確認し、爪に影響を与える要因(靴の不適合、内服薬、その他の全身疾患)をチェックするところから始めます。原因が明らかな場合にはそれぞれの治療や改善策をご提案します。治療は専門的な爪切り処置だけでなく、足部周辺のタコ(胼胝)やウオノメ(鶏眼)処置、スキンケアなどを併せた総合的なフットケアを行います。

これらは全て保険診療範囲内で行います。原因の除去が困難な場合が多いので、2-3ヶ月に1回程度の定期的なフットケア継続が重要です。

※ 治療前後の画像につきましてはインターネット広告規制のため、ご来院時にご呈示させて頂きます。